【協同制作】高校生のデザインをカタチにする。currently translating...
date.2019/08/07 category.プロジェクト
今年も厳しい暑さが続いた7月下旬。昨年に続き、今年も大川市内の高校にある“住環境システム科”のみなさんとの協同制作が行われました。さまざまな加工機械、無垢材、突板、芯材などの部材に囲まれて、木工に取り組んだ5日間。2名の学生と家具メーカーによる、ものづくり体験をレポートします。
チェストをデザインした3年生
“自分が欲しい家具”をテーマに、置き場にぴったりのサイズでデザインされたチェスト。イメージを図面化していくために、事前に打ち合わせを重ねました。当初は、構造上成立しないものでしたが、話し合いを重ね、一部仕様変更などをしながら図面完成。今回も家具づくりのスタート地点から、仕上がっていく過程をしっかり見て学び、可能な限り手を動かしてもらいました。
彼がデザインしたのは、前板に無垢材を使ったチェスト。その部材を作るため、まずは無垢板を束ねたかたまりの中から、使う分を選んでいきます。厚さ、幅を揃えたら、木目や節のバランスを決めます。木取り職人は、この段階で仕上がりをイメージし、木の表情、豊かさが最大限に伝わるよう配分していきます。
NCで手がけを加工したら、サンダーを使って研磨。目の荒いものから順に使い分け、何度でも触りたくなるような、やさしい手触りへと仕上げていきます。その他にも、本体のフラッシュ加工、組み上げなども見学し、ひとつずつカタチになる様子を体験してもらいました。
本体のパーツ加工後、突板にキズが入っているのを発見。塗装をする前だったので、職人から修復してもらいました。無垢材と違って、木を薄くスライスした突板は、とてもデリケート。構造体なので軽くて扱いやすいですが、削って直す、ということができないため、より慎重に扱わなければなりません。
そして完成したのがこちらのチェスト。可愛らしいサイズ感です。ていねいに研磨された前板は、スベスベの手触り。自然でゆるやかに流れる豊かな木目が、ウォールナットらしさを伝えてくれます。自身で立ち会った木目選びなだけに、格別だと思います。
最後に、「研磨は、どれくらいまでやったらいいのか感覚がわからなくて、難しく感じました。でもみなさん、どんなに暑くても集中して必死。すごいと思いました」と語ってくれました。掴んだ感覚を大事に、仕事をしている職人。集中することの大事さをそばで感じてくれて、まだ一緒に実行してくれたことは、私たちにとっても大変嬉しいことでした。
テレビボードを企画した3年生
彼女がデザインしたテレビボードも、箱モノが得意な大川市でたくさん作られるアイテムです。私たちの工場も、オリジナルからデザイナーと取り組んでいるシリーズまで、さまざまな仕様、デザインのラインナップを展開しています。どのデザインにおいても、図面を作る段階で、いろんな計算が必要。フラッシュ加工の現場には、たくさんの計算とルール、ノウハウが詰まっています。見えない部分ではありますが、正確に仕上げていきます。
計算した数値を職人がセットし、ガイドになるレーザー(赤線)を見ながら、実際に芯材を配置してもらいました。突板のボードの中は、このような構造になっているので、強度を保ちつつ、軽量化することができます。また、反りや割れを起こしにくいため、デザイン面で有効性を発揮します。両面をフラッシュ貼りしたらプレス機にかけます。 棚板や収納の側板、地板と言われる部分など、一枚一枚をこうやって仕上げています。
箱モノ収納に欠かせないのが、金物。よりスムーズな出し入れ、使い勝手を叶えてくれる部材で、扉の蝶番や引き出しのレール、前に扉が倒れてくるドロップダウン型など、用途も種類もさまざまです。今回は、職人指導のもと、金物付にもチャレンジ。レールや棚ダボ受けなどを取り付けてもらいました。
全てのパーツが整ったら、ボディープレス機で箱のカタチへ。今回のテーマは“自分が欲しい家具”ということで、家族が使うリビングに置く事を考えて、みんなにも意見を聞きながら考えたそうです。設置した際の感動はひとしおですね!
最後に…
他にも、いろんなタイプの部材を研磨したり塗装したりと、どっぷり5日間、家具づくりに携わってもらいました。特に、金物の取り付けなど、経験した工程が多かった彼女は、「節を埋める作業の際は、接着剤や硬化剤など、今まで触ったことのないものだったので、本当に緊張しました」と、語ってくれました。一瞬一瞬の作業に、それだけ真剣に向き合ってくれた証拠。私たちにも、熱心な姿がとても印象に残っています。今回の共同制作期間は、すでに夏休み。学校の授業よりも早い始業時間でしたが、一日も遅刻せず、どの作業もよく頑張ってくれました。
今年の協同制作も、秋の木工まつり期間中、大川市文化センターで開催される“大川樟風高等学校作品展”にて展示されるそうです。暑さに負けず、想いを込めて制作された高校生のデザイン。ぜひ皆さまも、会場にて見ていただけたらと思います。
#木工体験 #家具づくり #国産家具 #実習 #インターン #高校生 #求人 #職人 #技術職 #クラフト #工芸 #無垢の家具 #福岡県大川市 #木工の街 #専門職 #木工技術 #未経験 #見習い #技術指導 #家具製造業 #木工機械 #組立 #収納家具 #立野木材工芸 #職人さん #注文家具 #craft #furniture #staff #company #factory #woodwalker #job #joboffer #technicaljob #apprentice #工場見学 #インテリア
currently translating...
LATEST POST
-
2024/11/20
冬限定キャンペーンのお知...
-
2024/11/07
【納品事例】ブックスタン...
-
2024/10/30
OKAWA The Fu...
-
2024/10/29
【11月-12月_営業日...
-
2024/07/23
WEBカタログ2024