新入スタッフ、資材研修へ行く!currently translating...
date.2017/04/20 category.納品事例
2017年4月、2名のスタッフが私たちの仲間として入社いたしました。家具づくりの工程、部材、資材、すべてをこれから学び始める二人です。今回は、新人研修の第一歩として、私たちのパートナーである資材屋さんを訪問し、見学させていただきました。材料資材があってはじめて、家具というものづくりができます。家具産地・大川を支える材木・突板・塗料の現場を、新人スタッフとともに巡ってきました。
多種多彩な丸太を製材する 高田製材所
大きな原木がダイナミックに積み上げられた風景。人間の何倍も大きな幹を間近で見てみると、木とは、時間をかけて地球が育んだものであることがよくわかります。ここまで大きいと、そばにいるだけで圧倒されます。
皮を剥ぎ製材された無垢材は、ゆっくりと時間をかけて自然乾燥させます。このように同じ厚みの桟木を挟み、丁寧に積み上げていくのは、板をまっすぐの状態に保つため。時間をかけて乾燥させて、良好なコンディションの板になっていくそうです。また、木の皮には甘みがあるため、最初にしっかりと剥ぎ取っておかないと虫食いが起こり木を傷めてしまう原因に。ワイルドな工程のようで、細やかな職人さんの目が光っていました。それにしても、板が整然と積み上がった姿は・・・爽快です。
今回お伺いした高田製材所さん。こちらのショールームでは、私たちが家具を作るうえで普段使っている樹種から、見たこともない珍しいもの、中には入手困難となった希少なものまで、世界中の木材を一覧することができます。色、木目、重さの比重もさまざまな木サンプルは、約250種類!そのどれもに、産地があり、生まれ育った土地と物語があります。ここでは、木に携わる仕事の奥深さ、尊さも感じることができます。
スライスされた木を技術とセンスで仕上げる アサヒ突板工業
突板は、希少な銘木をスライスし有効的に活用する技術です。厚さ約0.2〜0.5mmという薄い板を、少しずつ板に重ね合わせてプレス機にかけて接着させます。無垢材に比べて割れや反りを気にせず扱える突板は、さまざまな加工を可能に、大きな収納家具なども扱いやすい重さで作ることができます。
突板にも、“柾目”“板目”という木目があり、家具そのものの表情を決める重要な要素です。私たちが手がけるBENCAのANEMONEシリーズでは、この“柾目”ならではの直線的な木目を生かし、職人による矢貼という技法を採用しています。
もちろん、突板も天然素材。節があったり、年輪があったり。同じものの連続のようで、二つと無い木目を組み合わせる技術には、さらに広がる可能性があります。こちらのアサヒ突板さんでは、暮らしの中で木の風合いを楽しめる新しい提案をされています。こちらは、突板の照明器具。特殊な加工を施した突板で光を包み込むと、ほかでは味わえない柔らかい温もりが広がります。
色を作り出す、仕上がりを決める塗料専門店 石山塗料
製造の最終段階、仕上がりを決める塗装。製品の風合いに影響を与えるため、品質を大きく左右する大事な工程です。また、実際に家具を使うとき触れるので、安全性も重要。そういったさまざまな観点から、現在私たちが使っているのがオスモオイルです。
オスモオイルは自然由来の天然オイルですが、塗装の歴史を辿っていくと、この土地で採れる天然成分へと行き着きます。漆や柿渋といった日本ならではの高級塗料も使われていましたが、福岡に多く根付いている櫨(ハゼ)というウルシ科の樹木から採れる天然成分を使っていたそうです。
他にも、楠の木から採れる樟脳は、衣類の虫除けとして使われていた天然素材。その樟脳油をそのまま家具に塗って仕上げ、大切な着物を守っていたそうです。昔使っていたというハケを見せてもらいながら、時代とともに発展してきた塗装技術のお話、今改めて天然素材に回帰していることなど、興味深いお話ばかりでした。そして最後に、新しい加工に挑戦されている工場を見学させていただきました。
最後に…
今回お邪魔した資材屋さんを始め、大川にはたくさんの専門性を持った家具関連企業が、家具や建具づくりを支えています。自然のチカラと人の知恵、より良いモノを、という熱い想いに触れた見学会。今回は、家具づくりに携わる第一歩として、大変貴重な経験をさせていただきました。
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